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ニッケルハルパの音色や魅力に心惹かれた方へ──。
ようこそニッケルハルパの沼へ。
今回はニッケルハルパの世界をさらに広げてくれるアンサンブル、Nyckelharpa Orkestern（N.H.O.）をご紹介します。
この記事が、ニッケルハルパの世界にもう一歩踏み込みたいあなたにとって、次の扉を開くきっかけとなれば幸いです。
Nyckelharpa Orkesternとは
スウェーデンの7名のニッケルハルパ奏者によるアンサンブル。
- 『Till Eric』（1995：Eric Sahlström作品集）
- 『Byss‑Calle』（2000：Byss‑Calle作品集）
- 『N.H.O.』（2003：オリジナル曲集）
の3枚をリリースしています。
いずれも高評価を得ており、アルバム『N.H.O.』はスウェーデンの新聞「Svenska Dagbladet」で6/6という最高評価を獲得、『Byss‑Calle』はGrammis（スウェーデン版グラミー）にノミネートされました。
『Till Eric』の発売から『Byss-Calle』のリリースまでの間にメンバーが一人変わりましたが、(Anders Mattsson からHenrik Eriksson)その他のメンバーは変わらず、いずれのアルバムも6人編成です。
メンバー
Anders Mattsson（1967年）― 伝統を体現しながら新しさも見せるウップランド音楽の継承者
1967年生まれ。
ウップランド伝統を深く継承し、1994年にはモダン・ニッケルハルパのワールドチャンピオンに 。
その堅実かつ情熱的な演奏は、まさにアンサンブルの柱。
『Till Eric』に参加。
Olov Johansson（1966年）― ニッケルハルパを世界に広めた先駆的存在
1966年生まれ。
14歳からニッケルハルパを始め、1990年には世界初のモダン・ニッケルハルパのワールドチャンピオンに。
Väsenのメンバーとして国際的に活躍 。
Johan Hedin（1969年）― 詩情と技術を兼ね備えた表現者
1969年生まれ。
Octave nyckelharpaなど多彩な楽器を取り入れ、独自の音響を追求。
スウェーデン伝統と前衛的アプローチの融合を体現する奏者です。
Marcus Svensson（1973年）― 幅広い音色を紡ぐ教育者
1973年生まれ。
コントラバスハルパ（Kontrabasharpa）・シルベルバスハルパ（Silverbasharpa）・クロマティック／オクターブニッケルハルパなどを操り、教育者としても活動。
1998年モダン・ニッケルハルパのワールドチャンピオン。
Ola Hertzberg（1974年）― 多彩なフィールドで遊ぶニッケルハルパ弾き
1974年生まれ。
「Hulling」「Kapten Bölja」「Outohouse Allstars」など多様なグループで活躍し、ニッケルハルパによってアンサンブルに豊かな色彩を加えます。
Niklas Roswall（1972年）― 伝統と現代をつなぐ橋渡し
1972年生まれ。
1996年モダン・ニッケルハルパのワールドチャンピオン。
「Ranarim」や「Ahlberg, Ek & Roswall」の中核メンバーとして活躍。
Henrik Eriksson（1974年）― 伝統精度と現代感覚の融合者
1974年生まれ。
ストックホルム王立音楽学院出身。
2004年モダン・ニッケルハルパのワールドチャンピオン。
『Byss‑Calle』と『N.H.O.』に参加。
まとめ：N.H.O.が描いたニッケルハルパの未来
Nyckelharpa Orkesternは、押し迫る伝統と躍動する新鮮さを共に携えた、まさにニッケルハルパ界の金字塔と呼ぶにふさわしいアンサンブルです。
特に『Till Eric』は、Eric Sahlströmへのリスペクトが込められた名演集でありながら、それぞれの奏者が個性豊かに自己表現する“音の対話”を楽しめます。
Nyckelharpa Orkesternを通じて、次のことが実感できます。
- ニッケルハルパは個の楽器であると同時に、共同体を映す鏡でもあること
- 真に豊かな音楽は、歴史への敬意と革新的な息吹の両立によって開かれること
初めてニッケルハルパを聴いた、そして感動した次の一歩として、またニッケルハルパの奥深さを体感したい方にとって、Nyckelharpa Orkesternの演奏と個性は格好の案内役となるでしょう。
あなたをニッケルハルパの世界へさらに誘うため、この記事がまた新たな発見と好奇心につながることを願っています。
