ちょうどよいニッケルハルパの構え方

ニッケルハルパ

※この記事はニッケルハルパ弾き一人ひとりにとっての「ちょうどよい姿勢やニッケルハルパを構える位置」を探る一助となることを目的としています。
※この記事でお伝えしている構えや姿勢はタマダの経験に基づく主観によるため、必ずしも誰にでもあてはまるものではないと思います。

はじめに

思い返せばニッケルハルパを始めてからずっと、ニッケルハルパの位置を探っています。
立って弾く、座って弾くにかかわらず、どこにニッケルハルパを収めるのがよいのか。
ニッケルハルパの演奏はとても楽しいです。
その一方でニッケルハルパは日常生活で使わない筋肉を使ったり、かからない負荷をかけたりします。
楽しい気持ちが優先して、知らず知らずのうちに身体に大きな歪みを与えます。
最悪の場合、気が付いたら身体がボロボロで弾くたびにあちこちが痛む。
それはとても悲しいことです。

長く楽しくニッケルハルパを弾くためにどうしたらよいか。

常に試行錯誤を繰り返してきたこのトピックについて、2024年1月時点でのまとめをご紹介いたします

言葉・表現について

この記事では「正しい」「間違い」という表現はできるだけ使わないようにしていきます。
「ちょうどよい」「ちょうどよくない」といいます。
微妙な違いに感じるかもしれませんが、タマダは大きな違いととらえています。

「正しい」「間違い」の表現は「答えはみんなに共通するものが一つだけあり、そこからずれてはいけない」といった印象を受けます。
「ちょうどよい」「ちょうどよくない」の表現は「一人ひとりにぴったりな答えが人の数だけある」という印象を受けます。
「理論が優先されるか、人が優先されるか」と言い換えることもできます。
タマダは後者のスタンスのため「ちょうどよい」という言葉の方がしっくりきます。
前者のスタンスに近い方は本文の「ちょうどよい」を「正しい」と読み替えていただいて全然問題ありません。

次に「ちょうどよい」という言葉が何を指すのかについても簡単に説明します。
タマダは「ちょうどよい」=「長時間や長期間演奏しても身体が疲れない/痛まない」という意味で使います。

前置きが長くなりましたが、さっそくニッケルハルパのちょうどよい位置や構えについてお話ししていきます。

ニッケルハルパを持たずに身体の位置を感じてみる

立って弾くにせよ座って弾くにせよ、ニッケルハルパを構える前に自身の身体を感じてみませんか。
座禅でいう「左右揺身(さゆうようしん)」のように体を揺さぶってみましょう。

立っている場合、こんな感じです。

  • 足を肩幅程度に開く
  • 膝を軽く曲げる
  • 身体の力を抜く
  • 身体を前後左右に揺さぶる
  • 「ストン」と落ちる感覚になる位置で身体を止める

       椅子に座っている場合はこんな感じです。

  • 足を軽く開く
  • 身体の力を抜く
  • 身体を前後左右に揺さぶる
  • 「ストン」と落ちる感覚になる位置で身体を止める

「ストン」と落ちる感覚というのが最初はわかりづらいかもしれません。
何回か体を揺さぶって止めるを繰り返せば、なんとなく感じてくると思いますので焦らずで大丈夫です。
「ストン」と落ちる感覚が使えたら、そのときに頭がどこの骨に乗っているか、背骨のしなり具合はどうか、膝の曲がり加減はどうかなどに意識を向けてみてください。

もしこの時に「とても身体がゆがんでいる」と感じたら、ニッケルハルパの前に整体やカイロプラクティックなどを検討するのも一つの手です。

立って弾く時のニッケルハルパの位置と構え

身体とニッケルハルパのバランス

先ほどの自然な体の構えが感じられた状態で、ニッケルハルパを首からぶら下げてみてください。
バランスが崩れる=身体のどこか(多くの場合は首)に負荷がかかっていることを感じられると思います。
負荷を感じたままニッケルハルパを首からぶら下げた状態で上記と同じく身体を揺さぶってみてください。
この時狭いところで行うとニッケルハルパが壁とか家具とかにぶつかってしまいます。お気を付けください。
ニッケルハルパをぶら下げたまま「ストン」と落ちる感覚がする場所を見つけます。
ニッケルハルパ込みでバランスが取れる場所を探す作業です。
どうでしょう見つかりましたか。ここが「ちょうどよい」位置となります。

右腕(弓を持つ方)

次に右腕(弓を持つ方)の位置を探っていきます。
身体にとってよろしくないのは次の二点

  • 肩が上がる
  • 腕がニッケルハルパを巻き込む

これらを感じる位置だと常に腕や上半身全体に緊張や負荷がかかってしまい、弾いているとどんどん痛くなってきます。
身体に対してニッケルハルパが高すぎたり前すぎたりのところにあると起こりやすいです。
できる限りストンと落ちた位置のままニッケルハルパを構えられるにしたいですね。
少しストラップを長めにする、ニッケルハルパのブリッジが身体の中心線よりすこし左側に来るようにする、ニッケルハルパと体が作る角度を大きくするなど肩や腕がリラックスできる位置に調整していきます。
時々体を揺さぶって、リラックスできる姿勢を思い出すと効果的。
鏡を見ながらやるのもさらに良いです。

座って弾く時の構え

ストラップをつけたまま座るときのニッケルハルパの位置は基本的に立って弾く時と変わりません。
そのため、ここでの「座って弾く」は、「ストラップをつけずに座って弾く」ということとします。

座って弾くときは立って弾くときと比べて身体とニッケルハルパとの距離が離れるので、何かしらの工夫が必要です。
座って弾く時、ニッケルハルパは太ももに乗せます。
そのまま乗せると、立って弾くときに比べてニッケルハルパが低い位置に来ます。
ニッケルハルパの位置を高くする必要がありますが、そのために足を組むのはできるだけ避けたいです。
足を組むとその時点で体がゆがむので、長時間や長期間足を組んだ姿勢で引いていると身体に影響を及ぼします。
ニッケルハルパに身体を近づけるために猫背になるのも同様の理由で避けたいところですね。
ニッケルハルパの位置を上げたいなら、ニッケルハルパと太ももの間に枕みたいなものを挟ませるなどして身体は自然な座った姿勢を保てるとよいです。
市販の枕だと大きすぎるので、手ごろな大きさのきんちゃく袋に古い洋服とかの布切れをつめつめにするというやり方もあります。
高さの調整ができたら、次はニッケルハルパを支えます。
主に弓を持つ方の二の腕を使います。
状況によっては鍵盤を操る手の一部も使います。

  • 前方向
  • ネック方向
  • テールピース方向

これらの方向へニッケルハルパがすべっていきやすいです。
腕と太ももでニッケルハルパを優しく挟み込むイメージですべりを止めます。
特別な力を入れる必要はありません。
腕は重力に従ってニッケルハルパのテールピースあたりに乗せればいいです。
鍵盤を操る手はそのまま鍵盤に触れていれば大丈夫。
状況によって掌底あたりでニッケルハルパを支える(持ち上げる)感じです。

④まとめ

ニッケルハルパの「ちょうどよい」位置を探る2024年1月現在のタマダの考えをお話してきました。

  • 身体の自然な姿勢を感じ、ニッケルハルパをその姿勢に溶け込ませる。
  • できるだけ自然な姿勢をキープできる位置にニッケルハルパを収める。

これら二つを意識しつつ、長時間楽しみながらニッケルハルパを弾くために、あらためてニッケルハルパの位置を見つめてみませんか。

おまけですが身体を緊張させないという点では「演奏中に身体を動かす」というのもよいです。
あまり動かしすぎると壁や家具、ほかの演奏者にぶつかったりするのでご注意ください。

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