『ミッドサマー』と伝説の村ホルガ──映画の舞台で語り継がれる音楽「Hårgalåten」を弾く

ダンス伴奏

2020年に日本公開された映画《ミッドサマー(MIDSOMMAR)》は、スウェーデンのとある田舎の村で行われる夏至祭を舞台にした話題作です。
観客に強烈な印象を残したあの「ホルガ村」は、実在する村ではなく架空の場所ですが、モデルとされているのがスウェーデン中部、”ヘルシングランド地方(Hälsingland)にある「Hårga(ホルガ)」”という地名だとされています。

伝説の概要はこうです:

  • 若者たちがある日ダンスに興じていたところ、謎のフィドル奏者(ヴァイオリン弾き)が現れる
  • その音楽は止むことなく続き、若者たちは死ぬまで踊り続けることに
  • フィドル奏者の正体は悪魔だったという話もあります

この物語に登場するフィドルの旋律が、スウェーデンの伝統音楽《Hårgalåten(ホルガの歌)》として現代にも受け継がれています。

Hårgalåtenとハンボ(Hambo)

《Hårgalåten》は、日本のスウェーデンフォークダンス界隈では”「ハンボ(Hambo)」といえばこれ!”と言われるほど知られた楽曲です。

  • Hamboはスウェーデンのペアダンスの一種で、3拍子の軽やかなステップが特徴です
  • 特に”Hälsingehambon(ヘルシンゲハンボン)”というイベントでは、この曲がよく演奏されます

私はこのHårgalåtenを演奏する際、踊り手の動きを邪魔しないリズム感を大切にしています。
1歩目で「沈む」、2歩目で「浮かぶ」というハンボの基本動作に寄り添いながら、音でダンスを支えることを意識しています。

Hälsingehambonの様子はYouTubeで多数公開されています。
スウェーデンの美しい自然と、地元の人々が誇りを持って踊る姿を見ると、この音楽がどれほど人々の生活に根付いているかが伝わってきます。

参考リンク

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